「強引ねぇ。お姉ちゃんビックリ」
家を出た途端に智姉はわざとらしく頬を朱に染めてそう言った。
あんたが泊まる気まんまんだったせいだろうが!
「ったく。普通真っ先に親に会いに行きたくなるもんじゃないか?」
「う~ん…そうねぇ。じゃあ悠斗ちゃんのお家に遊びに行くのはまた今度にしましょ」
(来るのは確定なんだ…)
別にいいけど。
それっきり特に話すこともなく黙々と歩き続けること5分ほどで智世の家に着いた。
「じゃあ俺はここで」
「あら? 入ってお茶でも……飲みながら感動の再会シーンを見ていかないの?」
「うん。自分で言っちゃってるような人が感動的な再会を果たすとは思えないし」
見なくてもわかる。
喜びにむせび泣く赤巻夫婦と抱きしめられながらニコニコ笑う智世。
この一方通行な感動のシーンが目に浮かぶようである。
悠斗は何の未練もなく智世の家を立ち去った。
(願わくはもう二度と…)
微かに外まで聞こえてきた歓喜の声を聞きながら、悠斗は1人思いにふけっていた。
「ただいま…」
家に帰るとそこは…
まさしく混沌があった。
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