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次の日。
ガオルとマリスが、もう三人の仲間を連れて指定された場所に来ると、既に相手と思われる連中が、ニヤニヤと不敵な笑みを浮かべ、立っていた。
「おーう、よーく来たなァ」
「逃げなかった事は感謝してやるよ」
「…そこのイケメン君は新入りか?」
相手の内の一人が、ガオルに気付く。
「否、単に獄球が初めてなだけだ」と、マリス。
「ほぉ~…まぁ、精々そのカッチョイイ顔が潰れねェ様祈る凝ったな」
相手の誰かが言うと、他の仲間も一斉に笑い出す。
「…負けないさ、コレでも球技系は敵無しだったからな」
ガオルが言うと、笑いが止まる。と同時に、何言ってんだコイツ、とでも言う様な視線。
「…まぁ立ち話も何だし、入れよ」
促される侭入った地下室はとても広く、中央には檻に囲まれた十m四方の正方形型コートが置かれていた。
「―ところで、お前、ルール分かってんだろな」
さっきガオルを「イケメン君」と呼んだ奴が話し掛ける。
「大体は聴いてるさ。五人前後で一チームを組み、二チームが一つのコートで、二つのボールを、相手が立てなくなるまでぶつけ合う…、だったな?で、檻もコートの一部…だろ?」
「そこ迄分かってるなら、上出来だな」
檻の扉の閂(かんぬき)が動かされ、扉が開く。
「そっちが五人なら、今日は五人制だな。お前等、外で待ってろ」
ガオルに声を掛けた奴に言われて、何人かの連中が外に出て、檻に鍵を掛けたり、外の見張りに回った。
「安心しろ、外の連中は手出ししちゃいけねぇ決まりだから、ズルなんかしねぇよ」
「あ、そう」
コートの中には、二個のボールが転がっている。
最初はこれを各チーム一個ずつ持ち、「死合」は始まる。
「先に言うが、ボールの略奪はありだぜ?」
「…成程」
外の奴が、開始の合図を鳴らす。
ボールが、二つ、同時に宙を飛んだ。
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