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僕の幼少時代は最悪の一言に尽きた。
幾度と無く繰り返された、親の離婚と再婚。
一年に数度、親が変わった。
僕より小さい家族が増えた事もあった。
家にはいつも、他人の様な家族がいて、気付いた頃には、家族の中で血の繋がりは消えていた。
簡単に言えばただの他人だ。ただの他人が集まって、ただ家族の真似事をしているだけの集団。
僕はその中で生きている。
端から見たらどれだけ滑稽な事だろう。周りからの同情の目も、僕には疎ましいだけだ。
いつの間にか、性格まで歪んでしまった。正直に生きる事が、馬鹿らしく思える。
それもこれも、全ては腐った大人達のせいだ。
子供の存在などいざ知らず、利己的な主張で僕達を振り回す。始まったばかりの人生までも、無茶苦茶に掻き混ぜ、崩し乱す。
そのせいで、僕達子供が辛苦している。それにすら気付かずに、大人の都合を押し付ける。
もう、いい加減にして欲しかった。
大人なんて要らなかった。
親なんて要らなかった。
僕達は、僕達だけでよかった。
だから――。
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