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遠野「忘れてた!暁哉君、君の名字の読み方を教えてくれないかな?理系には少々辛いんだよ」
先生が困ったような表情で尋ねてくる。
僕は苦笑いをしながら頷いた。
僕の名字の読みに関する質問は毎年のように繰り返していることだ。苦ではない。読みづらい漢字なのも認めている。
だから僕は、先生の瞳を真っ直ぐに見据えて言った。
暁哉「不知火(しらぬい)不知火暁哉です」
これが、僕の物語が始まった瞬間だった。
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