第二章【いってきます】

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「隊長、約束通り連れてきましたよ…」 話し掛けるのは隊長の幻影。 「僕が一番守りたい人。僕が世界一愛してる女性」 顔だけ振り向くと、そこにはチヒロが立っている。 チヒロは疑問符の付いた顔で首を傾げた、なんとも愛らしい仕草。 俺はチヒロのすべてに惚れてしまっていた、何よりも守りたいモノがチヒロだと気付いたのは隊長が死んで一度目のお墓参りだった。 それから今まで大分時間がかかってしまった… チヒロの目を見つめ小さく笑みを見せた。 優しく微笑み返してくれる。 「俺、行くこと決まっちゃいました…」 返事はない…。 「最前線らしいです」 返事をしない墓石に語りかけ続ける。 「隊長みたいにかっこ良くできるかな。 あっちは安全なところなんて無いから、隊長みたいに撃たれて死ぬかもね…。 隊長、俺はどうしたら良いのかな?」
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