第二章【いってきます】

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「小夜先生!?」 「チヒロちゃん!?」 意外な出会いに二人は驚いた。 そんな事に興味なさげに男の子はチヒロを見上げ、「お兄ちゃんじゃない」と言って家の中に入っていった。 「ごめんなさいね、今日は大事なお客さんが…」 小夜も気づいたようだ、ウズクマっているカズの存在に…。 目を丸くして驚く小夜にチヒロは苦笑いしかできなかった。 「さっ、小夜さん…お久しぶりです…」 立ち上がり、玄関から顔を出す小夜に振り向いたカズはまだ赤いオデコをさすりながら小さく一礼した。 小夜の方はと言うと、カズとチヒロを交互に見てからニッコリと柔らかい笑みを見せて、二人を招き入れた。 「和夜、久しぶり」 足に巻き付く和夜の頭をクシャクシャと撫でて、振り払うことなく小夜に付いて歩く。 和夜は相当カズに懐いているらしい。 招き入れる小夜とそれに続くカズの後ろにくっ付いていくチヒロ。
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