第三章【出発と手紙】

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空は眩しいほどの曇りで、今にも雪が降り出しそうな雰囲気をしている。 今日は自衛軍の派遣出発式が千歳空港で行われている。 家族や恋人、自衛軍関係者や報道陣が黒い帯を作っていて綺麗に整列する派遣隊を見守っていた。 そのころ、第132特務小隊は未だに基地に居た。 サボりと言うわけではない、特務隊はほとんど非公開の小隊である為公の場には姿を現せれないというのが現実だった。 彼等は、出発式が終了後に空港で本隊と合流して出発する事になっている。 彼ら16人の他には大隊の航空課の12人が基地で待機していた。 「秋山さんは行かなくて良いんですか?」 時計の音だけが聞こえていた待機室にカズの声が妙に大きく聞こえる。 待機室に集まっている面子は皆、向こうで行動を共にするチームのようなものだった。 航空課の精鋭である12人が静穏ヘリを操り、特務の16人を作戦エリアへ運び、特務は地上で作戦を遂行し航空課が空から支援をする、野球のピッチャーとキャッチャーのような関係だ。
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