第四章【ライフルと絵筆】

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「…ねぇ…聞い…る…」 ハッとなってチヒロは隣に座る友達をみた。 「あっ、ごめん!ボーッとしてた」 慌てて謝ると呼びかけていた友達は大きく溜め息をついてチヒロの頭を軽く小突いた。 「もー、ちゃんと聞いてよねぇ」 と言って、友達は頬を膨らませて怒って見せた。 「ごめんごめん」 「はぁ。チヒロ、最近よくボーッとしてるよ」 手を合わせてチヒロが謝ると、また溜め息をついて心配そうにそう言った。 「そんなこと無いよー」 と、苦笑いで否定した。 すると、友達は少しキツい目にスパッと言った。 「そんな事ある」 チヒロのキョトンとした顔を見て、また溜め息を付いた。 「やっぱり、チヒロにはバカズが付いてないとダメみたいね」 .
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