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「びっくりした!!モーツァルト先生いたんですか!!」
『最初からずっといた』
「そう…ですか…」
フランツは何か罪悪感たっぷりの表情を浮かべた
『別にお前が悪いわけではない。そんな顔をするな』
「でも…」
『心配するな、私はサリエリを恨んではいない』
そう…恨むわけがない
知らなかった
私のためにそんなに長年悩み、苦しんでいたのを
恨んでなんかいない
むしろ感謝しているくらいだ
ずっと宮廷音楽家達に嫌われ続け独りだった私に
手を差し伸べてくれたのはサリエリ、お前だけだった
恨むわけないだろぅ
この声を、この想いを伝えたい
もう苦しむことはないと
ただ一言
ありがとうと伝えたかった
死ぬ前に伝えたかった
この想いは一生伝わらないまま
闇に消えていく……
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