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キールの体から溢れんばかりの光が輝き、辺りが真っ白になった…
光がおさまった頃に、ゆっくりと目を開くと…
青い鱗、鋭い爪。がっしりしていて長くうねる巨大な体…
青竜だ!
「…もしかして…スフィア?」
恐る恐る青竜に尋ねると…
「そうスフィアだよ。…僕は青竜の仔として、神様からの依頼でキールの元にきた…キールに、友達を大切に思う気持ちがあったら、立派な青竜に成長させてくれるって、神様と契約したんだ…そして」
「その契約は成立した…?だからスフィアは大きく?」
「そういうこと!ありがとうキール!……さて、キールに怪我を負わせたこのツケは返してもらわないとね」
スフィアはニッコリ笑って言うと、声のトーンを落として魔物を睨んだ。
『グルルルル…』
魔物は後退りしつつも唸り続けている。
「…覚悟!!」
それからスフィアはいとも簡単に魔物を蹴散らし、キールを頭に乗せて空を飛んでいた。
「はぁ~怖かったぁ~ι」
キールは安心して脱力している。
「大丈夫?怪我は痛む?」
先程やられた怪我を心配して、スフィアは尋ねると、キールは大丈夫大丈夫!と笑って答えた。
…そんな二人を見る者が一人。
「ふむ、賭けは大成功じゃな。…これでおまえたちは独りじゃない、幸せにな!ホッホッホッホッホ!」
白黒の世界の雨はやんで、虹が出来た。
やがて白黒の世界は、鮮やかな色の世界へと変化していったのであった。
END
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