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ガラっ!
桜井「俺より先に一服か?いい身分だな。」
俺「あんたにしごかれてるから、根性も座るわ。」
桜井は、ありえないことに、野球部の顧問で、
俺が通うボクシングジムにも通ってる…。
桜井「拳はどうだ?」
俺「聞きたい事はストレートに!らしくねぇ~よ。」
桜井「可愛くないな…。お前、まだあそこに顔出してるのか?」
俺「リング??」
リングとは、街の喧嘩大会の事だ。
ギャラリーが囲んでスペースが出来るから、
俺らはそう呼んでいた。
桜井「あんなのリングでも何でもない。ただの喧嘩だ。お前はそんな事の為にボクシングやってるのか?」
ブルブルブル…
俺「…。力が欲しい。大事な物守れる、力。その為だったら、俺は何でもやるよ。」
桜井「野球は?」
俺「好きだからやってる。親父から教えてもらった、唯一のモンだから。」
桜井「そうか…。あまり無茶するなよ。野球もボクシングも出来なくなるぞ。」
ブルブルブル……
俺「わかったよ。ただ、勝手に期待して、勝手にガッカリすんのは止めてくれよ。」
桜井「わかってる。…もう行っていいぞ。」
…なんか言いたそうな桜井を尻目に、
俺は事務所を出た。
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