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第一章 さくらの香り。
風が吹いた。
ほのかに桜の香りを漂わせて。
あの頃も
こんな風が吹いていた。
「お、桜だ!」
いつものように、学校までのちゅ~と半端に長い道をひとりでぼーっと歩いていた俺の前に、一枚の花びらがふってきた
「おぉ、満開じゃん」
上をみると学校の裏にある山は綺麗な桜色に染まっていた
「春眠なんたらを覚えずだな、ねみぃ」
眠いのは年中そうだが、なにかと理由をつけるのは自然の摂理ってもんだろう。だってこんなに暖かいし
「かったりぃなぁー」
グチをこぼすのも日課。
口でなんていおうと毎日学校にいって普通の学生をしている勤勉な俺である。
なんてな、馬鹿なことかんがえてたら
「やっべ、遅刻する!」
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