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薄暗い路地裏を一人の黒い髪の少女が…まだ、幼い小さな少年を抱き抱えて歩いていた。
向かう先は、少女が知ってる悪魔の双子の”Devil May Cry”という少し派手な看板の事務所。
寝息が聞こえてきそうな幼い小さな少年の寝顔をチラッと少女は見てから歩く足を速めたのだった。
気付いていれば、早めに双子の元へ幼い小さな少年を渡しに行く筈だった少女は、今日ある本を見付けて読み知った。
そうして、今まさに慌てて向かっていたのだ。
「バージル!」
勢い良く少女は、事務所のドアを開けてバージルの名前を大きく呼んだ。
そんな少女の慌てた様子の声に気付いたのは、いつも冷静で…弟にだけにツンデレな双子の兄バージルが本を閉じて立ち上がって、少女へ視線を向けて口を開いた。
「なんだ、騒がしいぞ。レディ。」
「そんな事より、バージル。この子を責任持って育ててくれるかしら?」
黒い髪の少女レディは、バージルに抱えていたスヤスヤと眠っている、今だ起きる気配ない幼い小さな少年を見せ、それを見てからバージルは驚いた表情をしていた。
「誰の子だ?」
「あら?誰の子かしらね?」
「まさか、ダンテとお前の子か?」
「ええ、そうよ……って、違うわ!それに…ダンテが聞いたら拗ねるわよ。」
「ふむ。」
「この本を見付けて”悪魔の双子に捧げ新たな物語りが始まる”って文が書いてあったから慌てて来たのよ。」
「そうか。」
「悪魔の二人は、貴方とダンテしかいないし、二人にそっくりだから…。」
説明を少しだけした後レディは、ソファに幼い少年を起こさないように寝かせて、少しの間…寝顔を見つめた。
その様子を見ていたバージルは、引き取るか引き取らないか悩んでいた。
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