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「おっそーい!」
麻耶は時計を見ながら一人で騒いでいた。
彰太はそんな彼女をうるさそうに見ながら、耳を塞いでいた。
「全く…何してんのよ」
しばらくすると、遠くから小さな人影が見えてきた。その人物は慌てて走りながら、「ごめーん」と叫ぶ。
「ったくおっそい梨花!何してたのよ?」
彼女に不機嫌そうな顔で詰め寄られ、梨花は必死に言い訳を探した。
「ああ、あのね…自転車がパンクしちゃって…直そうと思ったんだけど、結局走ってきた…」肩で息をしながら、苦しそうに言う。
実際彼女は、帰ってきてから今までずっと寝ていた。そして気付いたら、予定の時間を過ぎていた。
麻耶ははあ…と呆れたようにため息をつくと、「梨花らしいわね」と言い、微笑した。
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