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「いらっしゃいま、せー…」
お客サマを見上げてビックリ。
背が高くて、たくましい。女性。
そう。
そのお客サマは
「シゲルさん!」
声をあげるアタシにあからさまに顔をゆがめた。
「何。もうバレてるの?てゆーか、あんたまでその名前で呼ばないでよねっ」
いやだわー。
なんて、しなを作って隣にいる人に、相槌を打つ。
こちらのお方もきっとお仲間なんだろう。
「二名サマご案内です」
二人のおかまさんを、テーブルに案内してやる。
シゲルさんが、やけにニヤニヤしてる。
「…何か?」
首を傾げると
「あんたがまだここで働いてるってことは」
急に小声になるもんだから聞き取りにくい。
少し身を低くした。
「あの頑固モノ、ついに言ったのね?」
頑固モノってゆうのは料理長ってのは理解できたけど
後に続いた言葉が理解できなくて首を傾げると
「言った?ついに言ったのね!?」
正面に座るおかまさんと、シゲルさんが目をあわせてキャピキャピ言ってる。
「…へ?」
「だーかーらー……」
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