食事処。

すみっこのパセリ

「ったく…。余計な事べらべらと…」

乱暴にエビの皮を剥く料理長。

あ。
乱暴にするからちぎれた。

そんな焦る料理長を見るのは初めてで

なんだか

可愛いって思ってしまった。

「あ、あの…料理長…？」

何？ってぶっきらぼうな返事が返ってくる。

言葉にしようかとも思ったけど

なんだか
その時間すら惜しいと思えて

アタシは、料理長の背中に抱きついた。

「…料理長？」

ぎゅってしても反応の無い背中を見上げた。

視界に入ったのは

真っ赤に染まった、耳。