犠牲

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開始から33時間 戦いはまだ続いていた。 独鬼 「はぁ、はぁ」 ウニ 「ふぅ、ふぅ」 両者共に ボロボロになっている。 独鬼 「なかなかやりやがる。…………たが、『神ヶ島』を舐めるなよ!」 ダダダッ 独鬼は凄まじいスピードでウニに近付き、 独鬼 「この弾は最高に練り込んだ最強の弾だ…当たったらタダじゃ済まないぜ」 ウニ 「…」 独鬼 「じゃあな」 そして どんどんどん 超至近距離。 当たったら即死だろう。 そして弾は全弾ウニに命中した。 独鬼 「すまねぇな、オレは市民権なんかどうでもよかったんだ。ただ、オレの力を試したかっただけなんだよ。…そんな自分勝手に付き合わせて済まなかったな」 そう言ってその場を立ち去ろうとした。 その時だった。 ウニ 「うおぉぉぉ!」 即死したはずねウニが独鬼に向かって走って行く。 ウニはホルスターから愛用の銃を取り出す。 独鬼 「ちい!」 だが独鬼もすぐそれに気付いて、愛用の『神ヶ島』でウニに狙いを定めた。 二人 「これで最後だ!!!」 ぱん どん 二つの音が聞こえる。 砂埃が晴れた時 立っていたのは いなかった。 二人共倒れている。 二人はお互い仰向けになった。 珍しくウニから人に話しかけた。 ウニ 「予感した通りだった。あんたは強かった。」 それを聞いて 「なぜあの時死ななかった?全弾命中したはずだろ?」 不思議そうに聞いた。 ウニは答えた。 ウニ 「あんたほどの相手だ何かを犠牲にしなくちゃいけなかったんだわ」 そう答えたウニの近くにはウニと同じくらいの歳・背をした真っ黒になった死体があった。 独鬼 「まさか、」 ウニ 「お察しの通りだよ」 ウニがそう言うと 「なんて早業だよ…」 飽きれ気味にそう言った。 ウニ 「あんたが余計なこと言ってなかったらやばかったな。幸い周りは死体だらけだからな。」 ウニは冷静に答えた。 独鬼 「大した奴だなお前。」 独鬼は笑いながら言った。 ウニは 「あんたはこの国を出ろ。あんたはここで死んでいい人間じゃない。」 ウニがこんなことを言うのは以前には一度も、多分これから先も言わないだろう。 それを聞いた独鬼は 独鬼 「ヘヘヘ、嬉しいねぇそんなこと言われるとは……わかった。オレはでるよ。でも、もしまた違う場所で会えたら」 独鬼がそう言って二人は同時に 「また勝負だな」 そう言った。 こうして、勝利者のいない戦いが終わった。
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