489人が本棚に入れています
本棚に追加
私は泣いた。どのくらい時間が立ったのか分からない程、泣いた。
【雫……お前の幸せが、おじいちゃんの幸せなんだよ――】
祖父の言葉が頭の中に響く。
優しくて、暖かくて、ごつごつと骨張った大きな祖父の手。私は、その手が大好きだった。その手で頭を撫でられるのが大好きだった。
もう、もう二度と頭を撫でてもらえない。
頭上の瓦礫の山は、今にも崩れ落ちそうだった。なんとかもがいてみるが、身体はびくともしない。
ああ、私はここで死ぬんだ。
死にたくない。
生きたい。助けて……誰か助けて。神様、どうか助けて……。
最初のコメントを投稿しよう!