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琴音の家は、学校から目と鼻の先。徒歩で10分ほどの、住宅街の中にある。
格別に大きい木造建築の一軒家。敷き詰められた瓦、どこまでも続いていそうな塀。
門の前で私は、ため息をついた。
「あいかわらず、大きい家で羨ましいな」
「そう?」
琴音は、門の敷居をまたぎながら、あっけらかんと笑った。その後に続き、私も笑いながら、その純和風の家に足を入れる。
その時だった。
「あ!パパーーー!!」
琴音は、いきなり走りだして縁側で佇む男性に飛び付いた。
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