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私は、運命なんて信じない。
好きになった人が運命の巡り合わせだなんて思わない。そんなのは、お伽話の世界の中だけ。
すべての出会いは、必然であり、偶然。
今日まで、私はそう思って生きてきた。あの人に再会するまでは――。
「雫、今日うちの家遊び来ない?うちのパパって超かっこいいんだよ♪」
私の頭上から、鈴の転がるように凛とした声が聞こえた。顔をあげると、そこにいたのは見慣れた人物。
茶髪のさらさらのストレートヘアーは腰まで流れ、ぱっちりと大きな黒耀石のような瞳。小顔で白い雪のような肌に、鮮やかにさす朱色の小さな唇をニッと吊り上げ笑う。
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