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あの日、私は祖父と大阪に遊びに出かける為、電車に乗っていた。
祖父は、私が生まれる前に病気でなくなった父親の代わりに私を可愛がって育ててくれた。かけがえのない大切な家族……。
それは、ほんの一瞬の出来事だった。
ドォォオオン――!!
という地を揺るがす程の轟音と、震動が私を襲う。
「きゃあああぁぁ!!」
多くの人々の悲鳴と、金属がぶつかりあう鈍音。その場に立っていられず、私は気を失い倒れた。
気がつくと、私は闇の中にいた。
身体中が重くて、痛い……。
コツコツと、足音が聞こえる。死へと向かう足音だ――。
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