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寒さと恐怖で、自然と涙が溢れる。
おじいちゃん……おじいちゃん。
隣に眼を向けると、大好きな祖父がいた。私は、ほっと安心して祖父の身体を揺さぶる。
「おじ……いちゃん。よかった――無事だっ……たのね?」
しかし、祖父は微動だにせず、返事も返ってこない。
「おじいちゃん……?返事……してよ?……ねぇ――ねぇ、おじいちゃ」
よく眼を凝らすと、祖父の身体は私を庇うかのように上に乗っている。
その祖父と私の頭上には、大きな瓦礫の山が積み重なっていた。今にも、崩れ落ちそうな瓦礫の山。
私は、それを見つめながら、もう二度と大好きな祖父には会えないことに気付いた。
「いや……いや……なんで?なんで神様」
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