1.好きになっちゃいけない人

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 寒さと恐怖で、自然と涙が溢れる。  おじいちゃん……おじいちゃん。  隣に眼を向けると、大好きな祖父がいた。私は、ほっと安心して祖父の身体を揺さぶる。 「おじ……いちゃん。よかった――無事だっ……たのね?」  しかし、祖父は微動だにせず、返事も返ってこない。 「おじいちゃん……?返事……してよ?……ねぇ――ねぇ、おじいちゃ」  よく眼を凝らすと、祖父の身体は私を庇うかのように上に乗っている。  その祖父と私の頭上には、大きな瓦礫の山が積み重なっていた。今にも、崩れ落ちそうな瓦礫の山。  私は、それを見つめながら、もう二度と大好きな祖父には会えないことに気付いた。 「いや……いや……なんで?なんで神様」
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