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しばらくすると
いつも抱いていた
大好きなクマさんのぬいぐるみが
剃刀をもってきた。
「いつもの様に腕を切れ」
と言った。
私は音のない
その真っ白な空間で
静かに刃を
自分に向けた。
やがて真っ白な床は
紅く染まった。
私が流している
涙よりも多く、
私が想像していた
紅よりも濃く、
部屋は紅く染まり、
クマさんのぬいぐるみは
「ありがとう」
と言った。
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