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「…お帰りなさいませ、裕也様」
目を開けて最初に聞こえたのはその台詞で、その声の美しさに驚く。
とりあえず起き上がろうとすれば、両サイドに居た人が手を添えて起き上がらせてくれた。
やはり、自分はベットで寝ていた形になっていたらしい。
自分の居るベットを見れば、綺麗な彫刻が彫られているのもわかる。
色は白。
なんだかこのベットは凄く神聖なものに見えてしまうほど綺麗な色をしていて、汚れもみられない。
「気分はどうですか?」
さっき話しかけてきた人がまた口を開く。
「えっと…──ここは?」
そう聞けばその人は、優しく微笑む。
「後で説明させて頂きます。」
そう言ったその人は、胸の辺りまで伸ばした長い黒髪を手でスッとなぞると、両サイドにいる二人になにやら伝える。
(なんなんだ…この人達……)
「では裕也様、こちらへ」
「え?」
いい感じに頭の上にハテナマークがぽつぽつと浮かんできた頃、いつの間にか自分の横にいた長い黒髪のその人が手をさしのべる。
その手を借りて、取りあえずベッドを降りるが、なんだか足がフラフラする。
「あっ、……」
ベッドをおりただけなのに、倒れそうになる自分に驚いた。
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