新しいお召し物

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  派手好きな現国王の趣味のお陰で、先代の頃よりも謁見の間は豪奢になった。 先代の頃の宮殿内を知り尽くしているわけではないが、この謁見の間には幼い頃より父に連れられてよく訪れていた。 あの頃の父と同じ職に就き同じ目線で見る今の謁見の間は…なんというかやはり現国王は若すぎたのではないかとしみじみ感じてしまう絢爛ぶりだ。   『レッドカーペット地味じゃね?刺繍しようぜ刺繍』   ……何メートルあると思ってるんですか。   『シャンデリア迫力ないよなー、全面にサファイアつけようぜ』   ……あの、   『あ、王冠リニューアルな。超豪華にして。でも重いのは勘弁』   ………あぁ、思い出すだけで肩が重くなる。 彼のわがままぶりは常軌を逸している。 現に今、私の隣で王座にふんぞり返っている彼は去年全面サファイアに改造したシャンデリアを見上げて何事かゆっくりと口を開くのだ。   「飽きたね」   死ねばいいと思った。
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