新しいお召し物

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  苦労しただろうに、少し彼が哀れになった。 腕は確かだったらしい、仕立ての方も魔法の方も。   「ロレンス」 「はい」 「国中に奴の名前を広めろ、国王に詐欺を図ろうとした愚かな男だと」 「かしこまりました」             魔法で有名になる。 学生時代の彼の夢だったそれは、また違った形で叶いそうだ。 陛下には見えない青いコートを抱えながら、口角が自然に釣り上がるのを感じた。               .
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