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麻莉との電話が終わったあと私は部屋の隅でカッターと戯れていた。
カチカチとなる刃の音。
すぅっと手首から流れる血。
今唯一私をこの世界に留めていられるこの行為。
夢中になってしまってつい何本も細い線をつけている。
「あはは…」
壊れたように笑いながら手首を見つめる
しかしそれは一時の現実逃避にしかならなかった。
数時間経つとまた辛い思いや屈辱感が襲ってくる。
髪をかき乱しながらも落ち着かせようともがいている。
馬鹿みたい…なんでこんなことになったの…
自問自答しながら私は2日ほど食事もせずに部屋に籠もり生活を送った。
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