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天高くまで伸び、青一色のこの空にポカンとできる白い固まりが、ゆっくりと流れるように
今年の夏は残暑を残し消え去った。
そして、今は冬。
秋は暑さが消える頃にはもう過ぎ去ってしまっている。
そんな風に生活しているはずだった…
しかし、今は春でも夏でも秋でも冬でもない。
今はキュアラの季節……らしい。
地球風に言うとすれば、秋と冬の間ぐらいの時期だろう。
だが、それもこの場所からでは特定することも出来ない。
真っ暗な闇…
自分の周りには何も無い…
あるとすれば世界から自分を隔離するための壁。
何故…自分はここにいる?
『出てこい! 王がお前に会いたいそうだ。』
外に出ると、そこには光があった。
『お前が、裏切り者か?』
光の中に黒いシルエットが見え、眩しさに細めた目も光に慣れはじめた。
ようやく今の自分の周りの風景がはっきりとわかっていった。
『我に従え、さもなくばここで死ね。』
自分の目の前には大きな何かがある。
『我に従い、戦うならばそれに手を当てろ。』
自分は何をしている?
自分はどうなってしまったんだ?
もう一度言う…
ここは…どこだ…?
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