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何時もと変わらない。
何時もと同じ、辛い日々…今日は怒られた。
彼女に、ふられた…
雨が降る。冷たい、大粒の雨が…
「みぃ…みぃ…」
何処からか小さい鳴き声が聞こえる。
ふと足元を見ると、小さな可愛い三毛猫が僕を見上げて居た。
「どうした…?ん…」
良く見ると、首輪が付いていて、そこにシールで『拾って下さい』と、書かれていた。
「何だ、お前も一人か…一緒に、来るか…?」
そう、どうせ帰っても誰も居ない。だから、一緒に居るのも…悪く無い。
「みゃー」
ごろごろと喉を鳴らし、そう返事をした。
同じ、仲間か…
右手でそいつを抱え、左手と鞄で傘にして夜道を歩いた。
「みぃー」
小さく一つ鳴き、顔を僕に向けた。
「名前、決めなきゃな…」
僕はそいつの頭をくしゃくしゃっと撫でて、微笑んだ。
……………
じっとそいつを見ると、背中の斑がクローバー型をしている事に気が付いた。
(クローバー…クローバーか…四つ葉…ヨツバ…ヨツバ!)
「良し、今日からお前はヨツバだ。背中の斑、そっくりだし…これから良い事有ると良いな、ヨツバ。」
「にゃー」
微笑みかけると、ヨツバは返事をする様に鳴いた。
それが、僕とヨツバの出会いだった。
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