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色の差が、激しい。激しすぎる。
その上…
ヨツバは毛が水の重みで身体に張り付き、更に小さくなっている。
…むしろゲッソリか。
笑わずには居られまい。何せギャップが激しいのだから。
「ハハッ、お前最高」
タオルでグシャグシャと水を拭き取りながら笑う。
―あぁ、僕、笑ってる…心から…。ヨツバの、お陰だな…。
「みゃー…」
ヨツバはタオルで拭き終わると、お風呂のマットまで行き、毛ずくろいをし始めた。乾いてきたせいか、毛がもっさり…といった感じに変化している。吹き出しそうだ。
「ヨツバ」
服を着替え、ヨツバを抱え上げるとヨツバは僕を見上げた。
「ここは寒いから、こたつ行くぞ。」
「にぃ~…」
嬉しそうにごろごろと喉を鳴らし、腕の中で丸まった。
リビングに入り、こたつを開けてヨツバを入れた。
電源を付けるとゆっくりと温度が上がり、その温度は暖かく心地良かった。
……まるで全ての嫌な事を忘れた様な感覚だった。
―こんな時間が、ずっと…続けば良いのに。
目を閉じてうとうとと眠りに誘われながら、静かにただゆっくりとそう思うのだった…。
やっと見付けた小さな幸せ。見失いたくないな…
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