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流鬼Side
雪か………うぜぇ…
俺は昔から雪と雨だけは嫌い
「雪なんか……」
独りポツリと誰も居ない部屋で呟く
触れたらすぐ溶けてなくなり…水に変わってしまう……
綺麗なくせに脆く儚い
独りでぼぉっとしながらそんな事考えてたら玄関から陽気な声が聞こえた
『流ー鬼ーちゃん開けてやぁー』
「……葵??…」
不思議に思いながら開けるとびしょ濡れな馬鹿が…
葵『逢いに来てやったでv』
ニコッと微笑みながら抱き着いてきた
流「…ってか冷てぇ」
葵『ん??そんなん気にしやん♪』
流「俺が風邪引いたらどうすんだよ」
むかつくくらい背が高い馬鹿を見上げ睨んでやった
葵『そん時は俺が看病したるv』
………むかつく奴…//
取り敢えずそんな馬鹿を家に上げてやり風呂にも入れてやった
流「………」
葵『…何考えとんの??』
黙り込む俺に近付き頭撫でながら抱き締めて問い掛けてくる馬鹿
流「……別に」
強がってみせソファーから離れ寝室へ行き布団に潜れ込んだ
葵が逢いに来てくれたのは嬉しい……
けど……弱い俺は見せたくない
葵が追って俺の所まで来てくれないから
柄にもなく`寂しい'とか思って…
ソファーに座りながらテレビを見てる馬鹿に抱き着いた
馬鹿は相変わらずテレビからは視線を外さず俺の頭を撫でるだけ…
俺以外見て欲しくなくてテレビを消してやった
葵『なんよ??(クスクス』
むかつく……
流「……だけ…ろよ」
小さく消えそうな声で呟く
葵『流鬼??』
抱き着く腕の力を強め…涙零しながら
流鬼「俺だけ……見てろよ…他なんか………他なんか…見るなよ!!!」
何言ってんだろ…俺……
しかも泣いてるし…かっこ悪ぃ…
思わず苦笑いして相手から離れようとしたら…
抱き締められ
葵『流鬼しか見えへんよ……大好きやもんvV』
むかつくくらいニコッと微笑んで頭撫でて来て…
悔しくて…敵わないと思って…馬鹿の腕の中で泣いてやった
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