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「そうだろうそうだろう。しかしな、そんな死に方をしてはいけない。多くの人間に、迷惑が掛かるだろう?」
宗也は今更ながらその事に気付き、恥ずかしそうに俯いた。
「…いい事を教えてやろうか?」
ぴくりと反応したのを、その人物は見逃さなかった。
「死なずに死ねる方法があるんだ。…宗也は知りたくないか?」
言葉の意味が分からず、しかし好奇心に負けて小さく頷いた。
「簡単なことだ。毎日鏡の中の自分に向かって『お前は誰だ?』と、心の中で問うだけだ。」
「そうすると…どうなるの?」
不思議そうに宗也は問うた。
にんまりと笑いつつ答えた声に、宗也は疑問を持たずにはいられなかった。
「死なずに…死ねるんだよ。」
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