自殺

6/9
前へ
/125ページ
次へ
 「やはりな。」  全く驚かず、いや寧ろ嬉しそうに、そう呟いた。  少年は状況を把握する為、黙りこくって頭を働かせている。  「おい。」  不意に呼び掛けられ、振り向いた。  月を背にしている為、顔は分からない。  「名は何と言う?」  「……」  答えて良いものかどうか、迷った。  何故、聞くのか。  普通に考えると、やはり警察に通報されたり、家に連れ帰られたり…と言うことだろう。  少年は押し黙ったままだ。
/125ページ

最初のコメントを投稿しよう!

225人が本棚に入れています
本棚に追加