君の声

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暗幕が上がっていく。   向こう側から、やっとか、とか、まだあったんだ、とか、色々と文句が聞こえてくる。   それは、仕方の無い事。その口全部塞いで、拍手に変えるくらいの劇を見せれば良いだけのこと。   そう思って、自分自身に激を入れた。   客に背中を向け、僕に横顔を見せる彼女。背中を見せる事ははっきり言って失礼になるのだけど、そこは僕の考えだ。   まず、主役の子が変わった事を気づかせないため。衣装さえ着せれば、彼女はさっきまで演じていた子とそこまで大差ないようにできる。
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