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「うん。大丈夫だよ」
それでもまだ信用できないのか、ゆっくりとロッカーを開いて顔をのぞかせ、辺りに目を走らせている。
少しして、大丈夫だと確認し終わったのだろう。ロッカーから完全に出て、体を伸ばした。
ふるふると震える体が、他人なのにとても気持ちよさそうに思えた。
同い年くらいかな。文化祭だし、他校から来てもおかしくないし。さっきの人は親とかかな? ちょっと違う感じがするけど……
「んーーー……っ! ぷはぁ。助かったぁぁ……。あ、君、ありがとね。助けてくれて」
彼女は突然思い出したかのように僕に振り返り、頭を下げる。
あ、意外に礼儀正しいのかな。
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