3人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
あぁ――……
後、右足でも、左足だろうと、一歩前に出せば。
全部、終わり。
もう慣れた街の喧騒も、随分前に慣れてしまった周りの陰口。
見て見ぬフリする元友達も、すでに僕を見てない両親も。
――そして、それを日常として受け止めてしまった僕自身も。
見えないし聞こえないし、存在しなくなる。
最高だ。
波飛沫が僕を手招きしているようにさえ見えてしまう。
死ぬのは怖くない。
死んでしまえば、怖いなんて感情もなくなるわけだし。
何で怖いのかもわからない。
だって。
未練なんてものが、僕にはアリエナイんだから。
最初のコメントを投稿しよう!