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これが夢だったら…
そう思うことって度々あるよね。
それを忘れられたらどんなに幸せか…
「うぅっっ…う~」
「またうなされてるよこいつは…。」
飽きれた。
またこいつは懲りもせず悪夢をもらって来たのか。
金の亡者なのかなんなのか。俺にはこいつが理解出来ない。
たぶん一生…。
あなたの悪夢売りませんか?
それがこいつ、ハヅキの商売文句。
ハヅキはどういう現象でそうなるかさっぱり分からないが、人が忘れたい、悪夢のようだと思う事をユメに見る事によってその人の頭から消し去る事が出来るというとても不思議な力を持っている。
そして今もこいつは誰かに金と引き換えに貰った悪夢を見ている。
…ほんと馬鹿だよな~
「ウッ…。……あっやっと終わった。」
汗で張り付いた前髪をかき上げながらハヅキはゆっくりとあくびをしながら起き上がった。
「やっと終わった。じゃねーよ馬鹿。また悪夢もらって来たのか?」
「ん?そうだよ。みてたんなら分かるだろ?はぁ~疲れた。タツミ水持って来て。」
あきれて声を荒げることもできない俺を対して気にすることもなくハヅキはニコニコと手を合わせてお願いのポーズだ。
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