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微かに潮の匂いがする。雨や雪が降る気配はないが、思ったより海風は冷たかった。
「寒い！」
私がさすがに寒くて震えていると、勝也はそっと自分のマフラーを外して私の首に巻いてくれた。
「寒いな！もう普通の店はやってないけど、ファミレスぐらいなら開いてるぞ？行くか？」
私は無言で首を振った。
「ファミレスじゃ駄目なら、何処行くよ？このまま外にいたら間違なく風邪ひくぞ」
「…二人きりになれる所がいい」
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