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それから
アパートの前まで来て二階にある部屋を見上げると明かりが消えていた。
もう義父は寝ているらしい。母は戻ったのだろうか。
しばらく佇んでいると、
「ちこ?」
母の声が聞こえた。
見ると目の前に、雪の中傘を持った母がいた。
母は、帰宅して私がいないので探していたのだという。
「もうお父さん寝てるから大丈夫だから。」
母はそう言いながら安心感からか泣きじゃくっている私をつれて家に戻った。
それからほどなくして母と義父の離婚が成立して、母と私は市内にある母の会社の社宅に入った。
義父からは性的な虐待も受けていたが、最悪の事態になる前に家を出ることができたので本当によかったと思う。
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