大学病院のエレベーター

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一階毎に止まるエレベーター。 私はふと気づいた… エレベーターは最下層まで着いた時には、押された全てのボタンがリセットされるのではなかっただろうか?… この様なイタズラは最上階から最下層まで降りて行く場合に成立する。 最下層に到達すると、このイタズラは意味を為さなくなる筈。 ならば、何故このエレベーターは各階に止まるのだろうか? 何故、全てのボタンが点灯し続けているのか? にわかにエレベーター内が寒くなってきた様に感じるのは私の気のせいだろうか?… 私は気づいてはいけない何かに気づいてしまったのだろうか?… エレベーター内に人の気配を感じるのは気のせいなのだろうか?… 慌てて目的階ではないが、止まった階に降りる。 これもまた病院特有の喧騒が周囲を包むが、エレベーターを待つ人は誰も居ない。 エレベーターは大きな口を閉じる様に扉を閉めた。 上へと滑り出した無人のエレベーターの階表示を見つめていると、全てのボタンが押されていたにもかかわらず、エレベーターは止まる事なく、スムーズに最上階へと到達した…
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