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ふわり..
ふわり...
雪が降る
ふわり..
ふわり...
緩やかに
『綺麗..』
降り続ける真っ白な雪を見て思わず呟いた
『私もこんなに綺麗だったら良かったのに』
自分の存在を確かめる様に
地面の雪を踏みしめる
良かった
まだ此処に在る
私はもうすぐ消えてしまう
それまでは
せめて此処に居たい
この
全てを綺麗にしてくれそうな白銀の世界に
欲を言えば
この世界と一緒に溶けてしまいたい
綺麗なままで
儚く溶けてゆく雪の様になりたい
次に生まれる時は雪になろう
そんな事を考えながら
私は
光となって消えた
"雪"
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