プロローグ

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「ご無沙…」 母親が言い終わる前に、手を繋いでいる幼い少女に気付いて、男は素っ頓狂な声をあげた。 「あれっ!? …ナッちゃん連れて来ちゃったんですか?」 「一緒に行くってきかないんですよ。ほら、挨拶しなさい」 母親が困った顔で言う。 少女はペコリと頭を下げる。 「音…平気ですかね?」 男が恐る恐る尋ねる。 「音は大丈夫だと思います。でも…」 「じゃあ潰されないように後ろの隅っこで…」 男がまたしても母親の言葉を遮って言った。 言いたいことは解ってるみたいなので 「ええ、そうします」 母親は苦笑まじりに言った。
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