プロローグ

8/8
前へ
/185ページ
次へ
一瞬の静寂のあと… …ッ!!!!! 凄まじい爆音と共にステージが光に包まれる。 ステージには4人の男の姿があった。 下腹部をえぐり取られるかと思うほどの轟音の中、ステージの右端に立つ男がギターを掻き鳴らしながら叫ぶ。 「Rock'n'-roooooll!!!」 観客達も拳を振り上げながら叫ぶ。 「ナッちゃん…」 平気かい?と聞こうとして上を見上げた男は、自分の肩の上ではしゃぐ少女を見て息を飲んだ。 「いえーっ!ろっくんろーる!」 少女は大人でも顔をしかめる程の音量に、少しも怯むことなく両手を振り上げて叫んでいる。 母親はそんな少女の姿と、ステージに立つ男とを交互に見て目を細めている。 穏やかな表情で… 「ねえ、ママっ!」 少女が母親に向かって叫ぶ。 眩しいくらいの笑顔で言った… 「パパ、カッコイイね!」
/185ページ

最初のコメントを投稿しよう!

705人が本棚に入れています
本棚に追加