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(ねぇ、教えてあげようか。)
見飽きた笑顔。
一切の隙が無い。
愛想笑いというには不気味が悪すぎるコイツの笑顔が俺は大嫌いだ。
「いや、いい。」
ベッドへと倒れこんだ俺の顔を覗く相変わらずのそれは一瞬の瞬きの合間に近づいていた。
片目が、綺麗だった。
(キス、しようか。)
断る事すら面倒になった俺は瞳を閉じ、黒を思い出していた。
黒。
それは俺の全て。
いつからか俺に溜まっていたものは淀んで黒く、汚く塊を作っていた。
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