君と見た海

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お互いに相手の心や動きを探って、 何でもないことで勘違いして、 やっと思いが通じた、 あの日より更に前のこと。 君はずっと泣いていたんね。 不安で仕方なかった日々はまだ君の心を揺さぶって、 ほらまた君は泣いている。 君の流す涙はキラリと輝いて砂に模様を描き続けてた。 そんな君にできる事は、 ただ抱きしめるだけで、 僕は力強く抱きしめた。 海に行った日は、 初めて君とくっついた日になったね。 僕の腕の中で小さく震えていた君は、 弱く、 今にも消えてしまいそうだった。 君を逃がしたくなくて、 僕はただただ君を抱きしめていた。
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