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「君、年はいくつ何だ?」
「私ですか?十五ですよ」
「んじゃ…中三か」
「いえ、三月生まれなんで高一です」
「そっか」
自分で話題を振っておきながら膨らませることもなく、話を終わりにする
「お兄さんは大学生ですか?」
女の子の方が気を遣ってくれたのか、話し掛けてきた
「まぁな」
「何処ですか?」
「別に大したことないよ」
謙遜でも何でもなく、実際にそうだった
ただ入れるとこに入っただけ
今思うと情けない話だ
俺からすれば、考えあってフリーターをやっている友人の方がよっぽど尊敬できる
「でもフリーターよりいいじゃないですか」
それをこいつは、いや、世間は分かってない奴が多い
今やフリーターは人生の底辺と考えるものも少なくない
働いているのに『ニート』だと言われることもある
本人が如何に納得した生き方が出来るか
人生の価値はそこにあるんじゃないかと思う
最もこんなは時代遅れの考えなのかもしれない
「…君は何してるの?」
俺は話を変えた
「だから言ったじゃないですか。高校生ですよ」
「そうじゃなくて、何でそんな格好でここにいるのかって」
恐らく、冬休みに入ってはいるのだろうが、制服で出歩く意味がよく分からない
それにこの制服を地元で見掛けたことがない
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