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「結構広いんですね」
見捨てるわけにもいかないので結局家にあげた
断じてやましい気持ちなどない
これは大人として当然のことだ
そう自分に言い聞かせる
俺はこういう時だけ都合よく大人になる
「とりあえずお風呂借りてもいいですか?」
「そこのドアな」
「…覗かないで下さいよ?」
「うるせっ!」
俺は気を紛らわすために、テレビをつける
何も面白い番組などやっていない
やがてシャワーの音が聞こえてきた
俺はテレビの音量をあげた
未成年の犯罪が報道されている
「あのぅ…?」
声がしたので振り向くと女の子がドアから顔だけを出していた
「着替えも貸してもらえると嬉しいのですが…」
俺は近くにあったシャツとズボンを掴み、投げた
「ありがとうございまーす」
女の子はそれを取り、ドアの中へと引っ込む
「えへへ…ブカブカです」
しばらくして女の子が俺の服を着て出てきた
「でかすぎないか?」
「大丈夫です」
女の子はちょこんと向かいに座った
そして部屋を見渡す
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