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女の子の涙は時が解決してくれた
しかし、女の子はうつ向いたまま何も話さない
「俺はここで寝るからそこのベッド使えよ」
女の子はようやく顔を上げ、俺の指差す先を見る
「いいか?あと二日経てば金が入る。そしたらおとなしく帰ってもらうからな」
俺は電気を消してその場に寝込む
まだ寝るには早い時間だとは分かっている
だがそうする他無かった
「あの…私まだ眠れません…少しお話してください」
女の子がようやく話し掛けてくれた
だが俺は話題が思い付かず、寝ているフリをして話を聞かなかったことしかできなかった
「…お兄さんは、【大人】をどのように考えているんですか?」
「…自分の考えを持っていて、自分を時に犠牲にしてでも、状況に合った判断が出来て、世間的に認められて…」
俺は思い付く限りの大人の定義を並べる
それを女の子がどんな顔で聞いているのか
寝ている俺には分からない
「お兄さんは大人ですか?」
「そうなろうと努力している」
「子供は嫌なんですか?」
「あぁ、嫌だね。自分勝手で意気がってるような奴を見ると腹が立つ」
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