ンパーターピ

未来から

「お前はさ、自分の十年や二十年先を見て絶望してるんだろ？このままじゃいけないって分かってるんだろ？だからお前は戻ってきたんだよ。十年、二十年先からやり直すために。変わるなら今だ」

そしてミカンを一粒、口に入れた

「…お前、それネットの掲示板に書いてあった言葉だろ？」

「あれ？何でバレた？」

「前も聞いたよ…」

友人からミカンを半分ぶんどり、口に投げ入れた

あまりの酸っぱさに顔が歪む

「でもよ、若いっていいよな」

「あぁ、それに気付かないのも若さだけどな」

「確かにそうだ。…はぁ～あ…年寄りくせぇ会話だこと」

友人はまたミカンを一つ手に取った

未来からやってきた

変わるなら今…

分かっているならとっくに行動を起こしているはずだ

どう変わればいいか分からない俺には意味のない言葉だ

そして、俺も酸っぱいと分かっていながらミカンに手を伸ばした

皮が途中で何度も千切れた