ガキ

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聞き慣れない携帯のアラーム音で目が覚める そういえば寝る前に友人がセットしていた その本人は未だに鼾をかいて寝ている 「おい、バイトあんだろ」 友人の体を揺すってやると、眠そうに瞼を擦りながら立ち上がった 「ん…おは…」 「俺はもう帰るからな。遅刻すんなよ?」 「ん…」 頼りない返事だが、まあ大丈夫だろう 俺は友人の家を出て、真っ先に最寄りのコンビニへと向かった 昨日食べ損ねたほっかほかの肉まんがどうしても食べたくなった 時刻は昼前 今日は腹も減っている コンビニに着くなり、ペットボトルのお茶を手にとり、レジへと向かう 「いらっしゃいませー!」 「肉まん一つと…ピザまん一つ」 腹の減り具合いから考えて、一つじゃ足りないだろう 「かしこまりましたー!」 聞いているこっちが気持ちがいいぐらいの接客だった 俺は金を払い、家に向かわず近くの公園へと歩いた 最近、散歩の良さが分かってきた あの頃とは違う感覚 「やっぱ年食ったんだなぁ…」 最近、独り言が多いのもそのせいだろう
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